「重い」と「取られる」は、別の症状です

ハンドル周りの違和感には、大きく分けて2つのパターンがあります。切るときにずっしり重く感じる症状と、手を離すと片方に寄っていく症状です。似ているようで、原因は別のところにあります。

「重い」の場合、まず疑うのはパワステ

低速で駐車場に入れるときなど、据え切りに近い状態で特に重く感じるなら、パワーステアリング(パワステ)の異常が有力です。

油圧式のパワステは、専用のフルードでアシストの力を作っています。フルードが減っていたり、劣化していたりすると、アシストの効きが弱くなり、ハンドルが重く感じられます。電動式のパワステでも、モーターや制御系の不具合で同じような症状が出ることがあります。

ベルトで駆動する油圧式の場合、ベルトの緩みや劣化も原因になります。エンジンをかけた直後に「キュルキュル」という音がすると同時にハンドルが重ければ、ベルト側の可能性が高くなります。

メーターに警告灯が出る場合

電動パワーステアリングを搭載した車種では、アシストに異常があるとメーター内に専用の警告灯が点くことがあります。警告灯が点いた状態でハンドルが重いと感じたら、フルードやベルトではなく、電気系統や制御ユニットの異常を優先して確認します。警告灯が点いていない場合との切り分けにも使えるサインです。

「取られる」の場合、まず疑うのは空気圧

まっすぐ走らせているつもりでも、手を離すと片方に寄っていく。この症状は、左右のタイヤの空気圧が違うことが原因になっているケースが多くあります。片方だけ空気が抜けていると、抵抗の差でその方向に寄っていきます。

空気圧に左右差がない場合は、次にアライメント(車輪の向きの調整)のズレを疑います。縁石に乗り上げた、段差を強く踏んだといった心当たりがあれば、その時点でズレが生じている可能性があります。

タイヤの片減りも、取られる症状とあわせて起きやすいサインです。片側だけ溝の減りが早い場合は、アライメントのズレがすでに進んでいると考えられます。

空気圧はこまめに見る価値があります

タイヤの空気は、走っていなくても自然に少しずつ抜けていきます。月に1回程度、指定の空気圧を確認する習慣があるだけで、「取られる」症状の多くは未然に防げます。特に荷物の量が日によって変わる配達車は、空荷のときと積載時とで指定の数値が違うことも多いため、両方の表示を確認しておくと安心です。

「ガタつく」は、また別の症状です

重さや取られるといった症状とは別に、段差を越えたときに足元から「ゴトゴト」と伝わる感触がある場合は、パワステではなく足回りの部品の緩みが疑われます。ボールジョイントやタイロッドエンド、スタビライザーリンクといった部品は、ゴム製の保護ブーツが劣化すると内部にガタが出やすくなります。ハンドル操作そのものとは別に、車体の動きとして違和感が出るのが特徴です。

両方同時に起きている場合

「重くて、しかも取られる」場合は、それぞれの原因が同時に出ている可能性のほか、足回りの部品の緩みが両方の症状を引き起こしていることもあります。この場合は自己判断で進めず、点検を受けたほうが早く解決します。

高速道路での「取られ」は特に注意が必要です

低速での取られはハンドルを軽く支えていれば気づく程度でも、高速道路では同じズレが大きな挙動の変化として表れます。追い越し車線への急な移動や、強い横風を受けたときの反応にも影響します。取られる感覚に心当たりがある場合は、高速道路を走る前に一度確認しておくと安心です。

駐車のたびに重いと、体への負担も増えます

パワステの効きが落ちた状態での据え切りは、見た目以上に腕や肩に負担がかかります。1日に何度も駐車や切り返しをする配達の仕事では、その負担が積み重なります。「気合を入れないと切れない」状態を毎日続けている場合は、我慢せず点検を受けたほうが、体力の消耗を防げます。

放置するとどうなるか

パワステの不具合を放置すると、ある日突然アシストが切れ、ハンドルが急に重くなることがあります。走行中に起きると、とっさの操作が遅れる原因になります。

アライメントのズレを放置すると、タイヤの片減りが進み、本来の寿命より早く交換が必要になります。荷物を積んで走る距離が長い軽バンほど、この進み方は早くなります。

W-NEXT横浜本店の場合

横浜市金沢区鳥浜町で、パワステの点検からアライメント調整まで対応しています。国家整備士が在籍し、「重い」と「取られる」のどちらの症状か、電話で伺った内容からもある程度の見当をつけたうえでお迎えしています。

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