「これくらいでいいか」が、いちばん危ないところ
荷崩れ対策は、どこまでやれば十分か、判断が感覚に頼りがちな項目です。結論から言うと、目安は「急ブレーキを踏んだときに、その荷物が動くかどうか」です。動くようであれば、固定が足りていません。
なぜ急ブレーキが基準になるか
走行中の荷崩れは、カーブより急ブレーキで起きることが多くあります。前向きの力が一瞬で強くかかるため、普段の運転で動かない荷物でも、急ブレーキでは前に滑ったり、倒れたりします。満載での急ブレーキと急ハンドルが、いちばん車と荷物を痛めます。 荷物があるときほど、早めに減速する運転を意識してください。
配達は、停止と発進の回数が多い運転です
長距離を一定の速度で走り続ける運転と比べ、配達は信号や訪問先ごとに停止と発進を繰り返します。荷崩れが起きる機会そのものが多い運転だと理解しておくと、固定を後回しにしない意識につながります。
法令でも、荷崩れ防止は義務とされています
荷崩れ対策は、事故を避けるためのマナーというだけではありません。道路交通法には、運転者が急ブレーキや発進の際に積み荷が転落・飛散しないよう、必要な措置を取らなければならないという趣旨の規定があります。「固定していなかったから事故になった」場合、荷物の落下や飛散そのものが法令違反として扱われる可能性があります。
積み方の基本
固定の前に、積み方そのもので変わる部分があります。
- 重い荷物は前寄り・低い位置に(後ろに偏ると、足回りに負担がかかります)
- 隙間を作らない(隙間があると、走行中に荷物が動いて衝撃を受けやすくなります)
- 重心が高くなる積み方を避ける(カーブでの傾きが大きくなります)
この3つを守るだけで、必要な固定の量そのものを減らせます。
固定の方法
ラッシングベルトやロープで固定する場合は、荷物を上から押さえるだけでなく、前後にも動かないように留めます。上だけ締めて満足していると、急ブレーキでの前方への滑りは防げません。
荷室内に固定用のフックやレールがある場合は、位置を確認してから積み方を決めると、無理なく固定できます。フックの耐荷重を超えるような重い荷物を、フック1点だけで支えるのは避けてください。
固定具そのものの点検も必要です
ラッシングベルトは、使ううちにベルト部分がすり切れたり、バックル(締め具)の噛み合わせが緩んだりします。ベルトが古くなっているのに気づかず使い続けると、固定できているつもりでも実際には強度が落ちていることがあります。目に見えてほつれや傷みがあるベルトは、早めに交換してください。
台車やカゴ車を積む場合
荷物そのものだけでなく、台車やカゴ台車を車内に積んで運ぶ場合は、車輪のストッパー(ブレーキ)をかけたうえで、車体側にも固定します。ストッパーだけでは、急ブレーキの前向きの力までは止められません。台車ごと動いてしまうと、荷物単体より重量があるぶん、車内の内張りやドアへの衝撃も大きくなります。
雨の日は、荷崩れ以外の影響も出ます
濡れた荷物や、水分を含んだ段ボールは、乾いている状態より滑りやすくなります。普段と同じ固定のつもりでも、雨の日は緩みやすいことを踏まえて、いつもより一段階しっかり固定しておくと安心です。
荷物の性質によっても変わります
液体や割れ物、精密機器など、荷崩れ以外にも扱いに注意が必要な荷物を運ぶ場合は、固定の強さだけでなく、置く向きや緩衝材の使い方もあわせて考えてください。同じ「しっかり固定した」状態でも、荷物の性質によって守れるものと守れないものがあります。
固定した後の確認
積み終えたら、走り出す前に荷室のドアを開けて軽く車体を揺らし、荷物が大きく動かないかを確認してください。数秒でできる確認ですが、出発前のルーティンに組み込んでおかないと、忙しい日ほど省略されがちです。特に、初めて積む荷物の組み合わせや、いつもと違う量を積んだ日は、この確認を省略しないようにしてください。長時間の配送の途中、休憩のタイミングで一度荷室を確認する習慣も、荷崩れに早く気づく助けになります。
荷崩れが起きたときの車への影響
荷崩れそのものだけでなく、荷物が車内の内張りやスライドドアのレールにぶつかって、傷や動作不良につながることもあります。荷室からの異音や、スライドドアの動きが以前と違うと感じたら、荷崩れによる影響がないか一度確認しておくと安心です。
W-NEXT横浜本店の場合
横浜市金沢区鳥浜町で、荷室まわりの点検にも対応しています。荷崩れによってスライドドアや内張りに不具合が出た場合も、国家整備士が状態を確認します。
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